朝の漁を終え、港に帰る準備をしていると、金庫網と呼ばれるブリが大漁した時用の袋網にウミガメが絡まっていた。死んでいる、と誰もが思っていたのに、近づいてみると波間の揺れで、なんとか息継ぎをしながら、生きていた。
15分もの時間をかけて、ようやく脱出成功。
また、定置網の中に戻っていった。
以下は一番近くでその作業を行った人の話しです。
「やっと爪が網から離れ、スーと向きを変えると、水中に網のない出口を見つけたウミガメは、一度水面から顔を出して、2回深呼吸して、最後に大きく、プハーーーッ、と大きく深呼吸して潜っていった。人間と同じだなと思ったね。明日はカメが魚呼んでくれてるから大漁かも。」
カメの恩返し、に期待。
でも、こんな機会なので、漁師とウミガメの関係について、自分の経験を話すと、
僕がこの定置網に乗りはじめたころ、10年くらい前までは、ウミガメは漁の邪魔をする憎いやつ、というのが船の上での常識だった。
ウミガメは、迷い込んだ袋上の網に入った魚を追い回し、逃がしてしまう。というのが理由。
あるジイ(おじいちゃん)に見つかると、手際よく、首に包丁をサッと刺し、船の外へ投げ捨てる。
でも、それが当たり前のように、見える。
漁師はカジキやマグロ、マンタ、イルカ、など包丁やカギといわれる刺して引っ掛ける道具で魚を殺しているのでそれとあまり変わらない。
ほかの動物をいたわる動物って、人間だけだろうか?


