上京のおまけ

飛行機や電車の移動は大好きだ。日常生活はバタバタと過ぎ、ゆっくり本をなかなか読めない、というか、読もうとしないので、サラリーマン時代に唯一学んだ、電車で読書、という楽しみを、実行できるのである。
僕は自分がカメラマンだと、意気込みながらも、文を書くのが嫌いでもない。すごく遅いのだけれど、自分の撮った写真には、例えば雑誌の特集やコラムに、誰かに書いてもらうより自分で書いた方がいい、と勝手に思うのであります。
前回の移動は、浅田次郎に夢中になり「飛行機よ、まだ下りないで、もっと飛んでてくれ」と真剣に思ったほどであったが、今回は椎名誠にやられました。
僕のことを「椎名誠に似てる」近所の居酒屋ひなの屋の大将がそういうのだが、昔読んだ記憶から、勝手なこと書いて、他人をバカにして、嫌いな人だったので嬉しくなく、そんな風に見られているのか、と悲しかったぐらいである。

けれども、「ここ読んでみて」と大将はしおりまで挟み、僕に本を貸してくれたのだ。
本人の日記をまとめた本なのだけれど、旅に行きまくり、忙しく本やコラムを書き続け、自然や仲間と遊ぶ時間もしっかり作っている。なるほど、面白いかもしれない。他人をけなすのは相変わらずなのだけれど、他人に同調せず、自分の考えを表すことは、真似しようと思ったって、なかなか出来ない。
なんでこの人の本が売れているのか、今まで理解できなかったのに、読み終えると、他のも読んでみよう、なんて思っている。
今まで嫌いだったのは何だったのだろう?多分椎名さんは何も変わってなく、読む側の僕が、変わったのだろうか?
似てると言われるのは光栄だけれど、今の僕はまだまだである。

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